今や日本映画界に欠かせない存在となった女優、河合優実さん。映画『あんのこと』での鬼気迫る演技、ドラマ『不適切にもほどがある!』での鮮烈な印象、そして2025年の朝ドラ『あんぱん』では遂にヒロイン大役に抜擢。その圧倒的な実力で、観る者の心を鷲掴みにしています。
そんな彼女の経歴でしばしば注目されるのが「大学中退」という選択。偏差値68の進学校から名門・日本大学芸術学部に進みながら、なぜ彼女は学びの場を離れたのでしょうか。
そこには、唯一無二の親友との出会い、そして女優として生きるという揺るぎない覚悟がありました。彼女の「決断の秘密」を紐解いていきましょう。
日芸で芽生えた女優への情熱と葛藤

河合優実さんの知的なイメージは、偏差値68の東京都立国際高等学校出身という経歴に裏打ちされています。高校時代、ダンスに打ち込みながらもミュージカルに感銘を受け、演技への道を志した彼女は、2019年に日本大学芸術学部(日芸)演劇学科の門を叩きました。

数々の名優を輩出してきた日芸で、演技の基礎を本格的に学び始めた河合さん。しかし彼女は、大学入学とほぼ同時に芸能事務所に所属し、女優としてのキャリアをスタートさせていました。学びと仕事、二足の草鞋を履く日々。この選択が、彼女の大学生活を特別なものにしていきます。進学校で培った思考力が演技に深みを与える一方で、多忙な日々は彼女に大きな決断を迫ることになるのです。
かけがえのない出会い。親友・見上愛との絆

多忙な大学生活の中で、河合さんにとって大きな光となったのが、同級生・見上愛さんとの出会いでした。入学式で河合さんの放つオーラに惹かれた見上さんが、「友達になってほしい」と声をかけたのが始まり。見上さんは当時のことを「とにかく目を引く人だった」と振り返っています。

コースは違えど二人はすぐに意気投合。お互いの才能をリスペクトし、高め合う最高の仲間になりました。すでに女優として現場に立っていた河合さんにとって、同じ夢を追う親友の存在は、何よりの心の支えだったことでしょう。卒業という道を選んだ見上さんと、後に違う道を選ぶことになる河合さん。二人の絆の物語は、多くのファンの心を打っています。
挫折ではない。女優として生きるための戦略的決断

河合さんが大学を中退したのは、3年生に進級した2021年のこと。その理由は、決してネガティブなものではありませんでした。
一つは、女優業が軌道に乗り、学業との両立が物理的に困難になったこと。「(仕事が)忙しくもなってきた」と本人が語るように、次々と舞い込むオファーに応えるため、現場での実践を優先するという前向きな決断でした。
そしてもう一つが、コロナ禍の影響です。2020年から始まったパンデミックにより、大学の授業はオンラインが中心に。

「ZOOMでの演技の実習が本当にキツくて…」と当時の葛藤を明かしています。実践を重んじる日芸の魅力が半減してしまった状況で、「それなら、プロの現場で学ぼう」と腹を括ったのです。

これは「挫折」ではなく、彼女らしい「戦略的な選択」でした。一度決めたら貫き通す。その強い意志が、彼女をトップ女優へと押し上げたのです。
まとめ:学び舎を離れ、未来へ。河合優実の揺るぎない覚悟
河合優実さんの大学時代は、女優としての土台を築き、生涯の友と出会った、短くも非常に濃密な時間でした。そして「中退」という決断は、彼女が本気で女優として生きていくという覚悟の表れに他なりません。
その証拠に、彼女はその後、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど目覚ましい活躍を続けています。学びの形は一つではありません。自らの意志で選んだ道を突き進む彼女の姿は、私たちに大きな勇気を与えてくれます。これからも、河合優実という才能から目が離せません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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