小田凱人はなぜ車椅子?骨肉腫による左足手術と「実は歩ける」の真相

車いすテニス界の若き王者、小田凱人(おだ ときと)さん。
圧倒的な強さと輝く笑顔が魅力の彼ですが、テレビでその姿を見てふと、「そもそも、なぜ車椅子生活になったの?」「足はどういう状態なの?」と気になったことはありませんか?

実はその背景には、幼い少年が背負うにはあまりに過酷な、病との長い闘いがありました。

今回は、彼が乗り越えてきた病名手術の経緯、そしてネット上でよく検索されている「実は歩けるの?」「杖を使っている?」という疑問について、2025年12月時点の情報を基にわかりやすく解説します。

目次

1. サッカー少年の日常を一変させた「骨肉腫」という病

小田凱人さん(現在19歳)は、もともと愛知県一宮市でプロを目指すほどのサッカー少年でした。足の速さが自慢で、毎日ボールを追いかけていたそうです。

しかし、すべてが変わったのは9歳の頃(2015年頃)。
サッカーの練習中に、左足の股関節(付け根)に激しい痛みを感じるようになったのです。

病院での検査結果は、「骨肉腫(こつにくしゅ)」
これは骨にできるがん(悪性腫瘍)の一種で、特に10代の成長期の子供に多く見られる希少な病気です。
「なんで僕が?」
当時まだ小学生だった彼にとって、それはあまりに突然でショッキングな宣告だったに違いありません。ここから、長く苦しい闘病生活が始まりました。

2. なぜ車椅子に?左足の手術と9カ月の入院生活

診断後、すぐに名古屋大学病院へ入院した小田さん。まずは抗がん剤治療で腫瘍を小さくし、その後に大掛かりな手術が行われました。

「なぜ車椅子生活になったのか?」
その直接的な理由は、このときの手術内容にあります。
命を守るために、腫瘍があった左股関節と大腿骨(太ももの骨)の一部を切除し、代わりに人工関節を入れる必要があったのです。

手術は無事に成功しましたが、広範囲に骨を切除した影響で、左足の自由な動きや筋力は大きく損なわれることに。これが、彼が車椅子を必要とするようになった経緯です。
約9カ月にも及ぶ入院生活。抗がん剤の副作用と闘いながら、大好きなサッカーを諦めざるを得なかった辛さは、想像するだけで胸が締め付けられます。

3. 終わらない試練|肺への転移、11歳と13歳での「再発」

手術を乗り越えた小田さんですが、試練はこれで終わりませんでした。
骨肉腫は「転移」しやすい特徴があり、彼の場合も肺への転移が見つかりました。

ここで注意したいのが、これは一般的な「肺がん」とは違うということ。あくまで骨肉腫が肺に飛んだ「転移性腫瘍」です。
肺の手術も2度行われましたが、さらに衝撃的なのが再発です。

現時点で分かっている情報では、退院後も病魔は彼を追いかけました。
なんと11歳13歳の時にもがんが再発し、そのたびに追加の手術を受けています。
再発率は20〜30%と言われる難しい病気ですが、小田さんはその確率の壁に何度も立ち向かい、打ち勝ってきたのです。

4. 「実は歩ける」は本当?杖と車椅子の使い分け

ネット上でよく見かける「小田選手は本当は歩けるのでは?」「立っている姿を見た」という噂。
これについては、「半分正解」です。

現在の小田さんの状態を整理すると以下のようになります。

  • 立てる?YES。ご自身で立つことができます。
  • 歩ける?YES(条件付き)。短い距離であれば、を使って歩くことが可能です。

退院直後から懸命なリハビリを行い、杖歩行を習得したそうです。
では、なぜ普段は車椅子に乗っているのでしょうか?

一番の理由は、足に入っている人工関節を守るためです。
無理に歩き続けたり激しい動きをしたりすると、人工関節が破損するリスクがあります。日常生活やテニスの試合では車椅子を使い、身体への負担をコントロールしているのです。

「歩けるのに車椅子を使っている」というよりは、「大切な体を長く使うための賢明な選択」と言えるでしょう。

まとめ:病を「強み」に変えた不屈のメンタル

9歳で発症し、左足の自由を失い、度重なる転移再発を乗り越えてきた小田凱人さん。
普通なら心が折れてしまいそうな経験ですが、彼はこれを「病気も障害も強みに変えた」と語り、10歳で出会った車いすテニスで世界の頂点まで駆け上がりました。

2025年の紅白歌合戦審査員に選ばれたのも、テニスの実績はもちろん、この生き様が多くの人に勇気を与えているからこそでしょう。
現在は再発の兆候もなく活躍されていますが、この壮絶なバックグラウンドを知ると、彼がコートで見せるガッツポーズがより一層輝いて見えますね。

これからも彼の活躍を全力で応援していきましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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