霜降り明星のツッコミ担当として知られる粗品さん。
鋭いワードセンスと独特の間で観客を魅了し、芸人としての地位を築き上げておられます。
M-1グランプリ2018で歴代最年少王者に輝いた実力者であり、ミュージシャン、司会者、YouTuberとしても活躍する多才な人物です。
その個性と発信力で、幅広いジャンルで存在感を放ち続けています。
しかし、そんな粗品さんが、元・雨上がり決死隊の宮迫博之さんに対して、公然と強い嫌悪感を示し続けていることが、しばしば話題になっています。
お笑いファンには既知の事実かもしれませんが、芸能界の事情に詳しくない方にとっては、「なぜ?」「二人の間に何があったの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、粗品さんと宮迫さんの間に起きた問題や対立の経緯、そしてその背景にあるものを整理し、未だ解決の糸口が見えない理由を探っていきましょう。
対立の発端:『酒のツマみになる話』での呼び捨て批判

粗品さんと宮迫さんの対立が世に広く知られる直接的なきっかけとなったのは、2024年4月12日に放送されたフジテレビ系の人気番組『酒のツマみになる話』での出来事でした。
この番組内で、粗品さんは「YouTuber、おもんないっすよね?」と大胆に切り出し、「芸人なのに『YouTuberおもろい』って言ってるヤツ、めっちゃ嫌いで」と持論を展開。
さらに、その具体例として「僭越(せんえつ)ながら、宮迫とか」と、宮迫さんの名前を挙げ、呼び捨てにする形で批判を展開しました。
スタジオには宮迫さんの元相方である蛍原徹さんも出演していたため、他の共演者から「宮迫さんや!」とツッコミが入る一幕もありましたが、粗品さんは「先輩じゃないんで。もうアイツ辞めたんやから」と、さらに言葉を重ねました。

この発言は、宮迫さんが2019年に発覚した闇営業問題の影響で吉本興業を退社し、現在は主にYouTuberとして活動している状況を指しての発言です。
粗品さんにとって、現在の宮迫さんは「芸人」ではなく「一般人」に近い存在であり、もはや先輩として敬う対象ではない、という彼の立場が明確に示された瞬間でした。
この時点で、粗品さんの持つ芸人至上主義的な考え方と、宮迫さん個人への強い反感が、公の場で表面化したと言えるでしょう。
宮迫さんの反論とエスカレートする応酬の経緯

粗品さんの番組での発言に対し、宮迫さんは2024年4月18日に自身のYouTubeチャンネルで反応を示しました。
「(粗品に対して)怒ってない」と前置きしつつも、「会社を辞めたら芸人ではなくなるんですか?」とやや声を荒らげる場面も見られ、自身の芸人としてのアイデンティティを強調しました。
さらに、「(粗品くんと偶然会ったら)顎をグーってして小栗旬にしてやる」と冗談めかして応酬し、最後には「コラボしましょう」と提案しました。
しかし、この反論の仕方は感情的に見え、芸人らしいユーモアに欠けるといった批判の声も一部で上がりました。
その後も応酬は続きます。粗品さんは同年5月20日のYouTube動画で、宮迫さんが新たに始めた「顧問制度」(トーク指導を月額50万円で提供するというサービス)について、「何教わんねん、こいつに」と、ある種嘲笑するかのようにコメント。
さらに、お笑いコンビ・ミキの亜生さんとの企画内で、宮迫さんからのコラボレーションのオファーについて触れ、「なんで行くねん。あっちは素人さんやから」と改めて拒否。
宮迫さんを芸人ではなく「素人」と位置づける姿勢をここでも貫きました。この時点で、両者の間の溝はさらに深まり、単なる意見の相違を超えた、公然たる対立へと発展していったのです。
ピークを迎えた対立:ヒカルさんバースデーイベントでの挑発

両者の対立がピークに達したと言えるのが、2024年5月28日に行われた人気YouTuber・ヒカルさんのバースデーイベントでの出来事でしょう。
このイベントで、宮迫さんはヒカルさんと共にステージに立ち、粗品さんに対して「テレビに出てた時の俺を超えてから言え!」「お前、『アメトーーク』みたいな番組、作ったけ?」などと挑発的な言葉を投げかけました。
この発言の様子がSNSなどで拡散されると、「それは言い過ぎではないか」「先輩としてどうなのか」といった批判が殺到し、大きな炎上を招く結果となりました。

ナインティナインの岡村隆史さんがラジオ番組で「それ言うたらアカン」と苦言を呈するなど、宮迫さんの発言は芸人仲間からも必ずしも支持されない状況となりました。
これに対し、粗品さんは同年5月31日放送のラジオ番組『霜降り明星のオールナイトニッポン』で、「知名度ある一般人に言われて、引っ越しオバサンに認知された感じ」と皮肉たっぷりにコメントし、「ヒカルくんと宮迫の大ファン」と笑いに変える余裕すら見せました。
この一連の騒動を受け、宮迫さんは6月3日に自身のYouTubeチャンネルで謝罪動画を公開。
「嫁にキレられた」「僕の負けです」と、ある種の“完敗宣言”をしました。
さらに「これからは『超有名な一般人』と呼んでください」と自虐的な言葉も口にし、粗品さんとの一連の舌戦から距離を置く姿勢を示しました。
対立の背景:粗品さんの「恨み」と芸人観の違い

では、粗品さんがこれほどまでに宮迫さんに対して強い嫌悪感を抱く理由は、一体どこにあるのでしょうか。
そこには、個人的な「恨み」と、芸人という職業に対する価値観の違いが根ざしているようです。
2024年6月13日付の東スポWEBの取材に対し、粗品さんは「(宮迫さんの)闇営業問題の時に恨みがある」と告白しています。
宮迫さんが2019年に反社会的勢力との闇営業に関与し、それが大きな騒動となって吉本興業を退社した際、その余波で「(自身の)CMが2本くらい飛んだ」と、具体的な仕事への影響が出たことを明かしています。

この個人的な不利益が、粗品さんの宮迫さんへの感情的なわだかまりの大きな一因となっているようです。
一方で、粗品さんの持つ「芸人至上主義」とも言える考え方も、この対立をより根深いものにしたと考えられます。
彼は、舞台やテレビで芸を磨くプロフェッショナルとしての「芸人」を高く評価しており、安易にYouTuberなど他のフィールドに移ることを良しとしない、あるいは、芸人以外のタレントが芸人よりも面白いといった考えを許容しないスタンスを持っています。
宮迫さんがテレビの世界からYouTubeへと主戦場を移し、「芸人」としての活動よりもタレントや実業家としての側面を強めていったことが、粗品さんの価値観とは相容れない部分なのでしょう。
対して宮迫さんは、「会社を辞めても芸人は芸人」と主張しつつも、焼肉店の経営や前述の顧問制度など、芸人以外の活動にも注力する側面も見られます。
この両者の「芸人」に対する考え方のギャップが、粗品さんの「素人」発言や、それに対する宮迫さんの感情的な反発を生む背景となりました。
その後の展開と未解決の理由

宮迫さんの謝罪後も、粗品さん側の宮迫さんへの攻撃的なスタンスは、完全には収束していません。
例えば、2024年7月20日放送のフジテレビ系『FNS27時間テレビ』内では、「説教中に一番寒いこと言った人が優勝」という企画で、「アンチ宮迫」と書かれたプラカードを掲げてスタジオを一時騒然とさせたり、
2025年3月24日のYouTube配信では宮迫さんの若手時代のナンパエピソードを取り上げ「もう昔の話はするな」と批判したりしています。
宮迫さん側は、謝罪動画以降、この件に関して目立った反論は控えているようですが、粗品さん側からの言及は続いています。
なぜ、この対立は未だに解決しないのでしょうか。その理由としては、以下のような点が考えられるでしょう。
- 感情的なわだかまりの根深さ: 粗品さんが抱える、闇営業問題に端を発する個人的な「恨み」や不信感が、依然として解消されていないようです。
- 根本的な芸人観の対立: 粗品さんの「芸人至上主義」と、宮迫さんの「芸人以外の活動も肯定する」とも取れる姿勢が、根本的に相容れない状況が続いています。
- エンターテインメントとしての側面: 粗品さんは、この対立自体を自身の芸やYouTubeのネタとして使い続け、視聴者やファンの反応を楽しんでいる側面もあるのかもしれません。
一方、宮迫さん側も、良くも悪くも注目を集めることで存在感を維持しており、両者にとってこの「対立」がある種の利益(話題性)を生む状況が生まれているとも言えます。 - 関係性の欠如: 宮迫さん自身が「(粗品と)絡んだことがない」と述べているように、そもそも両者の間に直接的な先輩・後輩としての信頼関係が築かれていないため、和解に向けた建設的な対話を持つことが難しい状況にあります。
まとめ:解決の見えない芸人同士の溝と「言い過ぎ」の境界線
粗品さんと宮迫さんの対立は、2019年の闇営業問題に端を発する個人的な感情のもつれ、芸人という職業に対する価値観の根本的な違い、そしてメディアを通じた公然たる応酬が複雑に絡み合った結果と言えるでしょう。
発端は『酒のつまみになる話』での粗品さんの発言でしたが、その背後には宮迫さんの過去の行動への不満と、粗品さん自身の芸人としてのプライドが複雑に絡み合っているようです。
「言い過ぎ」との批判も一部であるものの、粗品さんが攻撃的な姿勢を続ける一方、宮迫さん側は目立った反撃を避けており、両者の溝は埋まる気配が見えません。
この問題が未解決のまま続いている理由は、単なる感情的な対立や価値観の違いだけでなく、双方がこの状況をある種のエンターテインメントとして利用している(あるいは、結果的に利用されてしまっている)構図も影響していると言えそうです。
芸能界の内部事情に詳しくない方でも、この一連の騒動が単なる「言い過ぎ」ではなく、より根深い背景を持つ確執であることが、少しお分かりいただけたのではないでしょうか。
2025年4月現在、粗品さんの強い発信力と宮迫さんの依然として高い話題性が、この対立構造をある意味で維持しており、今後も新たな展開があれば注目されることになりそうです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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