YouTube界で圧倒的な存在感を放ち、若者を中心に絶大な人気を誇るヒカルさん。
彼の歯に衣着せぬトークと大胆な企画は多くの視聴者を惹きつけ、現在ではチャンネル登録者数約489万人(2025年3月時点)を誇るトップYouTuberの一人です。
また、実業家としても才能を発揮し、アパレルブランド「ReZARD」や企業経営など多岐にわたる成功を収めています。
しかし、そんな輝かしいキャリアの裏には、過去に大きな波紋を呼んだ「バリュー騒動」という出来事があります。
この騒動とは一体何だったのか、事実関係を整理しつつ、それがヒカルさんに与えた影響を深掘りしてみましょう。
「バリュー騒動」とは何か

「バリュー騒動」とは、2017年にヒカルさんが関与した、個人価値を擬似株式として売買できるサービス「VALU」を巡る大規模な炎上事件を指します。
VALUは、個人が「VA」と呼ばれる仮想株式を発行し、それをビットコインで取引できるプラットフォームで、夢を追いかける人への支援を目的とした革新的なサービスとして注目されていました。
しかし、ヒカルさんの行動が引き起こした一連の出来事が、大きな批判と混乱を招くこととなりました。
騒動の経緯

VALUへの参入(2017年8月上旬)
ヒカルさんは、同じ事務所(VAZ)に所属するYouTuberのラファエルさんや禁断ボーイズのいっくんさんと共に、2017年8月9日にVALUに「上場」。
人気YouTuberとしての知名度を背景に、彼らのVAには買い注文が殺到し、連日ストップ高を記録するほどの人気ぶりでした。
特にヒカルさんは、「明日一気にバリューで動く!」といったSNS投稿で期待感を煽り、VAの価値をさらに吊り上げました。
突然の大量売却(2017年8月15日)
ところが、8月15日、ヒカルさん、ラファエルさん、いっくんさんが保有するVAを一斉に売却。
この動きにより、VAの価値が急落し、多くの購入者(投資家)が大きな損失を被りました。
ヒカルさん個人では約4000万円、他の2人で約1000万円の利益を得たとされています。
さらに、VAZの顧問である井川拓哉氏が暴落直前に高値でVAを売り抜けていたことが発覚し、「インサイダー取引ではないか」との疑惑が浮上しました。
批判と炎上
この行為に対し、「優待をちらつかせて買い煽りを行い、高値で売り逃げた」「詐欺的だ」との批判が殺到。
ヒカルさんのVALU掲示板での「優待は何も期待しないでください」といった発言や、事前に優待情報を削除していたことも火に油を注ぎました。
ネット上では「黒い噂」や「不祥事」として拡散され、彼のイメージは一気に悪化しました。
謝罪と活動休止(2017年9月)

騒動から約1ヶ月後の9月4日、ヒカルさんは謝罪動画を公開し、無期限の活動休止を発表。
所属チーム「NextStage」も解散となりました。
この動画は当時のYouTube史上最高となる20万以上の低評価を受け、彼へのバッシングは頂点に達しました。
さらに、実家への嫌がらせや個人情報の特定など、過激な報復行為も発生し、彼と家族に深刻な影響を及ぼしました。
事後対応
ヒカルさんは「企画の一環だった」と弁明し、売却したVAを過去最高値で買い戻すと宣言。
約5465万円相当のビットコインを用いて自社株買いを行い、損失を被った購入者への補償を試みました。
VALU側も取引手数料を寄付に回すなどの対応を発表し、騒動の収束を図りました。
何があったのか?事実関係の整理

時系列
- 8月9日:ヒカルさんら、VALUに上場。VA価格が高騰。
- 8月14日:「明日動く」と投稿し、期待を煽る。
- 8月15日:VAを一斉売却、暴落。井川氏の売却も発覚。
- 8月16-17日:批判殺到の中、自社株買いを表明。
- 9月4日:謝罪動画公開、活動休止。
関係者
- ヒカル、ラファエル、いっくん(VA発行者)
- 井川拓哉(VAZ顧問、インサイダー疑惑)
- VAZ(所属事務所、当初は関与を否定)
- VALU運営(事後対応を余儀なくされる)
結果
- 登録者数60万人減、低評価20万超えというYouTube史上まれに見るダメージ。
- 実家への嫌がらせ(代引き商品の送付、窓ガラス破壊、爆破予告など)が発生。
- メディアで「不祥事」「詐欺的行為」として報道。
憶測や疑念を生んだ噂と批判

黒い噂
騒動後、「ヒカルは詐欺師」「裏で仕組んだ悪質な行為」といった黒い噂が広まりました。
特に井川氏との関係から「反社(反社会的勢力)」との繋がりを疑う声も一部で上がりましたが、具体的な証拠はなく、あくまで憶測の域を出ません。
不祥事
VALU騒動はヒカルさんのキャリアにおける最大の不祥事とされています。
法的な違法性はグレーゾーン(後述)だったものの、モラル面での批判が強く、彼の信頼を大きく損ねました。
反社・反社会
「反社」との関連を示す明確な証拠はありません。
ただし、騒動時の過激な発言や行動が「反社会的な行為」と見なされ、一部でそうしたレッテルが貼られました。
後のインタビューでヒカルさんは「世の中に謝る必要はない」と語っており、この姿勢がさらに反発を招いた側面もあります。
暗号資産
VALUはビットコインを基盤としたサービスであり、騒動は暗号資産のリスクや規制の未整備を浮き彫りにしました。
ヒカルさんの行為は、暗号資産市場の投機的側面を悪用したと捉えられ、後の暗号資産関連ビジネスの信頼性議論にも影響を与えた可能性があります。
法的・倫理的観点

違法性は?
当時、弁護士らの見解では、VALUのVAは有価証券とは認められず、金融商品取引法(インサイダー取引)や詐欺罪の適用は難しいとされました。
ただし、「買い煽り後の売り逃げ」は風説の流布や市場操作に近い行為として、倫理的には問題視されました。
VALU規約違反
VALUの利用規約では「信用を毀損する行為」が禁止されており、ヒカルさんの行動はこれに抵触する可能性が指摘されました。
しかし、具体的な処罰はなく、運営側も事後対応に追われる形となりました。
ヒカルに与えた影響と現在への繋がり

当時のダメージ
キャリアへの打撃:登録者数の激減と活動休止により、YouTubeでの地位が一時的に失墜。経済的損失も大きかったとされます。
精神的影響:実家や家族への嫌がらせ(例:5万羽のアヒル送付、窓ガラス破壊)を受け、ヒカルさんは後に「壮絶だった」と振り返っています。
信頼の喪失:ファンやビジネス関係者からの信頼が揺らぎ、「金の亡者」といったイメージが付きました。
復活への道のり
約2ヶ月半後の2017年11月に活動を再開したヒカルさんは、再び視聴者を惹きつける企画を連発。
宮迫博之さんとのコラボや企業経営への挑戦を通じて、徐々に信頼を取り戻しました。
2022年には「俺は反省したが、世の中に謝る必要はない」と当時を振り返り、自身の信念を貫く姿勢を強調しています。
現在の影響
- 教訓としての活用:騒動を糧に、リスク管理やファンとの関係強化に注力。現在は「失敗からはい上がれる」というメッセージを若者に伝え、自己啓発的な発信も行っています。
- ビジネスへの転換:実業家としての成功(ReZARDのギネス記録など)は、騒動後の再起力の証明。暗号資産や投資への関心も、ビジネス視点での学びに繋がった可能性があります。
- イメージの二面性:一部では「黒い過去」を持つ人物として語り継がれつつも、カリスマ性と実績でそれを上回る評価を得ています。
まとめ:ヒカルを知る上で重要な一章
「バリュー騒動」は、ヒカルさんのキャリアにおける最大の試練であり、彼の強さと脆さを同時に露呈した出来事でした。
法的なグレーゾーンを突いた行動は批判を招きましたが、そこからの復活劇は彼のタフさと戦略性を示しています。
黒い噂や反社との関連はあくまで憶測に過ぎず、事実としては金銭的利益を追求した企画が裏目に出た結果と言えます。
現在、ヒカルさんはYouTube界のトップランナーとして君臨しつつ、実業家としての地位も確立。
彼の魅力は、失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢と、それを笑いに変えるユーモアにあるのかもしれません。
この騒動を知ることで、彼の成功が単なる偶然ではなく、逆境を乗り越えた努力の結晶であることがより深く理解できるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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