はじめに ―― 音楽的評価と並行して注目を集める藤井風の「食のスタイル」
岡山県出身のシンガーソングライター・藤井風さん。彼のこれまでの軌跡を簡単な時系列で振り返ってみましょう。
- 1997年:岡山県浅口郡里庄町にて誕生
- 2009年(12歳):実家の喫茶店からYouTubeへピアノ演奏動画の投稿を開始
- 2019年:楽曲『何なんw』で鮮烈なデビュー
- 2022年:『死ぬのがいいわ』がSpotifyで世界的なヒットを記録
- 現在:日本を代表する世界的アーティストとして国内外で活躍中
ピアノを軸にした独自の音楽性と感性豊かな楽曲で、国内外から絶大な支持を集めている彼ですが、世間からは音楽と同じくらい熱い視線が注がれている「もうひとつの顔」があります。それが、彼が実践している「ベジタリアン」という食のスタイルです。
ご自身のSNSや楽曲の歌詞で公言するだけでなく、大規模なライブではベジタリアンフードの監修まで手掛けるなど、その取り組みは非常に本格的です。いったいなぜ彼はベジタリアンになったのでしょうか。いつからお肉を食べない生活を始め、普段はどんな栄養補給をしているのか。この記事では、気になる全貌をわかりやすくお届けします。
藤井風におけるベジタリアン生活の始まりとSNSでの発信

藤井風さんがご自身でベジタリアンであることを公言し始めたのは、活動拠点を地元・岡山から東京へ移した2019年5月頃のことだそうです。
当時のTwitter(現在のX)で、「ベジタリアンなのでハンバーガーは豆オンリーから作られたのを食べてます^_^」と写真付きで投稿。デビューして間もないこの時期から、自分の食への信念をとても自然な形でリスナーに伝えていました。
さらに2020年7月には、大豆を使ったスナック菓子について「わしみたいなベジタリアンには嬉しい一品でした」と喜びの声をアップしています。動物由来の成分が使われていないため、気兼ねなく楽しめるおやつとして重宝していたようです。
また、大ヒット曲『へでもねーよ』の歌詞の中には「野菜ばっかの生活しよんのに」というフレーズも登場します。気負うことなく、ごく日常の延長線上でご自身のライフスタイルを音楽に落とし込んでいるのがよくわかりますね。
肉食を絶った時期:15歳(中学卒業時)からの転換

長年ファンの間で「いつからお肉を食べなくなったの?」と話題になっていましたが、2022年7月の公式Instagramストーリーズにて、ご本人が直接その時期を明かしてくれました。
ご両親が揃ってベジタリアンであったため、家庭では積極的にお肉を食べる習慣がなく、給食がなくなった「中学卒業」のタイミングで、自然な流れでお肉を食べなくなったとのことです。
私自身も二人の息子を育ててきましたが、15歳という食べ盛りの時期に周りに流されることなく、自分の軸となる食生活の選択をはっきりと決断できた彼の芯の強さには、ただただ感心してしまいます。
菜食主義への移行理由:「動物愛護」の純粋な精神

「なぜベジタリアンになったのか?」という一番気になる理由について、ご本人が最もストレートに語っているのが、2021年10月のInstagramでの英語のメッセージです。
そこには、「私がベジタリアンになろうと決めた理由。動物たち。彼らはなんてかわいいんだろう」という主旨の言葉が綴られていました。
元々はお肉の味も好きだったそうですが、「動物がかわいいから食べない」という、どこまでもシンプルで優しい動機だったそうです。
美味しいお肉料理が街中に溢れている日本社会において、親元を離れて上京してからもこのスタイルを貫き通しているのは、並大抵の意志ではありません。SNSで動物と無邪気に戯れる姿などを拝見していると、「生き物を傷つけたくない」という真っ直ぐな優しさが、日々の食の選択へとダイレクトに繋がっているのだと深く納得させられます。
ペスカタリアン(魚菜食者)としての実践と対象食材

「ベジタリアン」と一口に言っても、食べるものと避けるものによって、実はいろいろな種類に分類されるのをご存知でしょうか。
| 種類 | 肉類 | 魚介類 | 卵・乳製品 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ヴィーガン | × | × | × | 動物性食品を一切口にしない完全菜食主義 |
| ラクト・ベジタリアン | × | × | 〇(乳のみ) | 乳製品は摂取するが、肉・魚・卵は避ける |
| オボ・ベジタリアン | × | × | 〇(卵のみ) | 卵は摂取するが、肉・魚・乳製品は避ける |
| ペスカタリアン | × | 〇 | 〇 | 肉類は避けるが、魚介類や卵・乳製品は摂取する |
過去のInstagramの投稿などを拝見すると、藤井風さんはカキフライやチーズなどを美味しく楽しむ様子をアップしていました。このことから、お肉は口にしないけれど魚介類や乳製品は食べる「ペスカタリアン」というスタイルを実践していることがわかります。
外食の選択肢が限られやすい日本において、ペスカタリアンは比較的無理なく続けやすい現実的なアプローチだと私は見ています。一部メディアのインタビューでは「ゆくゆくは魚なども控えていきたい」と語っていたというお話もあり、ご自身の体調や価値観と相談しながら、少しずつ純粋な菜食主義へと移行していく過程にあるのかもしれません。
日常的な栄養補給の手段:自炊メニューと大豆由来タンパク質の活用

お肉を食べないとなると、「スタミナや栄養はどうやって摂っているの?」と心配になる方も多いはずです。激しいライブパフォーマンスをこなす藤井風さんの身体を支える、主な栄養源をご紹介します。
- 大豆ミート(プラントベースミート)
お肉の代わりに大豆で作られた代替肉を積極的に取り入れています。過去にハンバーガーチェーンのソイパティ商品をSNSで紹介したところ、大きな反響を呼んだこともありました。 - 卵・乳製品
チーズなどを日常的に楽しんでおり、良質なたんぱく質やビタミンを含む卵も、お肉を食べない食生活において貴重な栄養源になっています。 - ひよこ豆などの豆類
食物繊維や鉄分が豊富なひよこ豆などを料理に活用し、植物性たんぱく質を上手に摂取しています。 - ソイプロテイン・プロテインバー
アーティストとしての体力作りに欠かせないたんぱく質は、大豆由来のプロテインから補給。忙しいツアー中も手軽なプロテインバーを持ち歩いているそうです。 - 野菜たっぷりの自炊とヴィーガン弁当
全国ツアーの楽屋で用意された彩り豊かなヴィーガン弁当を喜ぶ姿や、ご自身で工夫を凝らして自炊を楽しむ様子もたびたび話題になっています。
地域の保健活動推進員として皆様の健康づくりのお手伝いをしている立場上、私自身も普段の食事には人一倍気を配っています。ミネラル豊富な白だしを活用したり、日常的に阿波晩茶を飲んだりして健康を意識していますが、植物性食品を中心にあれだけの過酷なツアースケジュールを乗り切るには、確かな栄養知識と自己管理能力が不可欠です。彼のプロフェッショナルな姿勢には心から敬意を表します。
思想的背景:「アヒンサー(非暴力)」の精神と音楽的ルーツの交差

彼のストイックな食生活をより深く理解する上で欠かせないのが、根底に流れる精神的な価値観です。
デビューアルバムのタイトル『HELP EVER HURT NEVER』は、インドの霊的指導者の言葉に由来しており、「常に助け、決して傷つけてはいけない」という意味を持っています。さらにセカンドアルバム『LOVE ALL SERVE ALL(すべてを愛し、すべてに奉仕する)』にも、同様の深い慈愛が込められています。
これはインド哲学に根付く「アヒンサー(非暴力)」、つまりあらゆる生き物を殺したり傷つけたりしてはいけないという教えに深く通じています。毎朝の瞑想を日課とするなど、精神世界をとても大切にしている藤井風さんにとって、「動物を傷つけない」という哲学は、美しい音楽を奏でることと、日々の食卓で何を選ぶかという行動の、両方を貫く太い軸となっているのではないでしょうか。
食を通じた社会へのメッセージ:フードロス削減と環境問題への配慮

藤井風さんが個人の習慣としてだけでなく、あえてSNS等でベジタリアンであることを発信する背景には、社会に向けた確かなメッセージが込められています。
2022年秋に開催されたスタジアムライブでは、ご自身が初監修した飲食ブース「KAZE KITCHEN」が登場しました。大豆ミートのバーガーやガパオライスなど、提供されたメニューはすべて地球環境に配慮したベジタリアンフードで統一され、ファンへ新しい食の選択肢を提示する画期的な試みとなりました。また、日常生活においても、外食時の食べ残し(フードロス)を極力減らすよう、周囲にも配慮しながら行動しているそうです。
町内会の総務部長として地元のイベントごとを企画・運営する機会も多いのですが、大勢の人が集まる場において、環境問題や食品ロス削減の理念をしっかりと形にして提供するのは、並大抵の苦労ではありません。自らの影響力をポジティブな社会課題の解決へ向けて還元しようとするその行動力に、一人の大人として深く感銘を受けました。
まとめ ―― 食生活に見る藤井風の「生き方」と価値観の体現
藤井風さんのベジタリアン生活の実態について、さまざまな角度からひも解いてきました。
改めてポイントを整理しておきます。
- 中学卒業(15歳頃)を機に、ご両親の影響もあって肉食を卒業
- 「動物がかわいいから」という純粋な動物愛護の精神が原動力
- 現在は魚介類や卵・乳製品は摂取する「ペスカタリアン」として生活
- 大豆ミートや豆類、ソイプロテインを活用し、ハードなライブに耐えうる身体を維持
- スタジアムライブでのフード監修など、環境配慮やフードロス削減のメッセージを発信
お酒やタバコをたしなまず、毎朝の瞑想で心を整え、動物たちを愛する毎日。彼がお肉を食べないという選択は、単なる健康法や流行りのスタイルではなく、「この世界でどう生きるか」という真摯な問いへの彼なりの答えなのだと感じます。
彼の作る音楽が私たちの心を深く揺さぶるように、その優しさと覚悟に満ちた食の選択もまた、世の中に静かな、しかし確かな波紋を広げ続けていくことでしょう。
おくやまどうも、管理人の「有為之おくやま」です。
藤井風さんの徹底したベジタリアン生活についてまとめましたが、正直な本音を言わせてください。
「動物がかわいいのは痛いほど分かるけど、焼肉や唐揚げの誘惑に一切負けない精神力、いくらなんでも人間離れしすぎじゃありませんか!?」
いや、営業マン時代に接待で焼肉ばかり食べていたおじさんからすると、お肉の美味しさをあっさり手放せる彼のストイックさに、ただただ驚愕するばかりですよ(汗)。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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