イーロン・マスクはなぜ日本が好き?ガンダム、初音ミクから仏教、「わびさび」まで…驚きの日本愛の深層

テスラやSpaceXといった最先端企業を率い、アメリカの政治・経済にも大きな影響力を持つイーロン・マスク。

南アフリカ出身の彼が、実は「大の日本好き」だってこと、ご存知でしたか?

頻繁な来日やX(旧Twitter)での日本に関する発言からは、日本の文化、技術、そして精神性に深い関心を寄せている様子がうかがえます。

でも、なぜ世界を動かす彼が、そこまで日本に惹かれるのでしょうか?

彼が日本のどこに魅力を感じているのか、もしかしたら私たち日本人自身が気づいていないような、彼ならではの視点があるのかもしれません。

この記事では、イーロン・マスクの日本愛の背景と、その理由を探っていきます。

目次

イーロン・マスクと日本:これまでの関わり

日本への訪問歴

マスクはこれまで、何度か日本を訪れています。その度に、日本文化への愛着を隠しません。

  • 2014年: SpaceXとテスラのCEOとして来日。当時の安倍晋三首相を表敬訪問しました。日本の高い技術力や独特の文化に触れたようで、なんとあの「ラーメン二郎」を訪れるなど、庶民的な一面も見せています。
  • 2023年8月: 約9年ぶりに来日。東京・豊洲にある「チームラボプラネッツ」を訪れ、そのデジタルアートの世界に「ワオ!」と感動した様子。「素晴らしい日本に到着したよ!」とXに投稿し、美しい桜の映像や日本の伝統文化を紹介する動画もシェアしています。
  • その他: 公式な訪問以外にも、プライベートで日本の音楽イベントなどに参加しているのでは?という噂もあります。2025年5月現在、具体的な次の来日予定は発表されていませんが、彼のXでの日本関連の投稿は続いています。

X(旧Twitter)での「日本愛」発信

侘寂 Elon Musk(引用:Xより)

マスクは、フォロワー数2億人を超える自身のXアカウントで、日本の文化や技術、社会について頻繁にコメントしています。そのいくつかを見てみましょう。

  • 2024年11月:「侘寂(わびさび)」 – この一言だけを投稿し、シンプルさや不完全さの中に美を見出す、日本の独特な美意識への共感を示しました。
  • 2024年6月:東京都の婚活アプリを評価 – 東京都が開発した婚活支援アプリについて、「良いことだ」と肯定的な反応。彼が懸念する日本の少子化問題への対策を支持する姿勢を見せました。
  • その他(2023年~2025年): 日本のアニメ(ガンダム初音ミクなど)やゲーム(プレイステーション)、日本の技術力(高品質な部品など)、さらには日本の精神性(真言密教など)について言及することがあります。例えば、「日本の部品は本当に耐久性が高い。気づけばそれが世界標準になっているんだ」と、日本のものづくりを絶賛する投稿も。最近では、日本の人気歌手Adoさんの楽曲について言及したことも話題になりましたね。

日本好きになったきっかけは?

彼がいつから、どうしてこれほど日本に惹かれるようになったのか、本人が明確に語ったことはありません。

ただ、いくつかの理由が考えられます。

  • 子供の頃の影響?: 南アフリカで育った少年時代、SFやテクノロジーが好きだった彼は、日本のポップカルチャー、例えばガンダムのようなアニメに触れていた可能性があります。伝記作家ウォルター・アイザックソンによれば、若い頃から日本のアニメやゲームにかなり夢中だったそうです。
  • 技術へのリスペクト: テスラやSpaceXの製品には、パナソニック製のバッテリーや村田製作所のセンサーなど、日本の高品質な部品が数多く使われています。そうした経験を通じて、日本の「ものづくり」に対する深い信頼感を抱いているのでしょう。
  • 文化との出会い: 実際に日本を訪れた際の体験(チームラボのアートや、触れたであろう伝統文化)や、日本の精神性(「わびさび」や仏教など)に触れたことで、強い感銘を受けたのかもしれません。

イーロン・マスクの目に映る「日本の魅力」とは?

マスクが日本に感じる魅力は、大きく分けて「文化」「技術」「精神性」「社会」の4つの側面から見ることができそうです。

私たち日本人にとっては当たり前かもしれないことの中に、彼ならではのユニークな視点が見えてきます。

文化:ポップカルチャーと伝統のユニークな融合

  • ポップカルチャー(アニメ、ゲーム、音楽):
    • アニメ・ゲーム愛: マスクは『ガンダム』『攻殻機動隊』『新世紀エヴァンゲリオン』といった日本のアニメの大ファンだそうです。バーチャルシンガーの初音ミクや、最近ではAdoさんの音楽にも関心を示しており、Xで「日本のアニメは創造性の頂点だ」とまで発言しています。
    • プレイステーション賛辞: ソニーのプレイステーションを「テクノロジーとアートが見事に融合した製品だ」と高く評価。日本のゲーム文化が持つ革新性に、彼自身も刺激を受けているようです。
    • 「おたく」への共感: 日本で時にネガティブな意味合いで使われることもある「おたく」という言葉。しかしマスクは、彼らを「特定の分野に情熱を燃やす、創造的な人々」と肯定的に捉えているようです。彼自身の(SFや技術に対する)マニアックな気質と、どこか通じるものを感じているのかもしれません。2023年にチームラボを訪れた際も、「おたくが生み出すデジタルアートは未来そのものだ」といった趣旨の投稿をしています。
    • マスク的洞察: 私たち日本人にとってアニメやゲームは身近な存在ですが、マスクはこれらを「世界に通用する文化コンテンツ」「人類の想像力を拡張する最前線」として捉えています。彼の目には、日本のポップカルチャーは単なる商業製品を超え、技術と物語の力で世界をリードする可能性を秘めたもの、と映っているのです。
  • 伝統文化(桜、わびさび):
    • 桜の美: マスクは日本のの儚い美しさに心を打たれたようで、2023年の来日時には桜の動画をXに投稿。「一瞬の美しさが、永遠という感覚を呼び起こす」といった詩的なコメントを添えています。
    • 「わびさび」の哲学: 2024年には「侘寂(わびさび)」とだけ投稿し、多くの反響を呼びました。不完全さや質素さの中に美を見出すこの日本の価値観に、彼自身の哲学(SpaceXのデザインに見られるミニマリズムや、「無駄を徹底的に削ぎ落とす」という考え方)と共通するものを見出しているようです。
    • マスク的洞察: 私たち日本人は桜やわびさびを「まあ、そういうものだよね」と自然に受け入れていますが、マスクはこれらを「時間や美に関する深い哲学」として捉え、西洋的な物質主義とは異なる、奥深い精神性に強く惹かれているのでしょう。

技術:「ものづくり」日本の底力

  • 高品質な部品への信頼: マスクは、日本の製造業(パナソニック、村田製作所、トヨタなど)が生み出す製品の耐久性の高さと精密さを非常に高く評価しています。テスラのバッテリーに日本製部品を多く採用しているのは有名な話で、「耐久性を突き詰めると、結局は日本製品に行き着くんだ」とXで語ったことも。
  • 革新性の歴史: ソニーのプレイステーションや任天堂のゲーム機などを「技術革新の象徴」として称賛。かつて日本の家電製品や自動車産業が、世界標準を作り上げてきた歴史にも敬意を持っているようです。
  • 職人魂(カイゼン): 日本企業が得意とする「カイゼン(継続的な改善)」の精神や、細部にこだわる職人気質を、自身の会社(SpaceXやテスラ)のエンジニアリングにも取り入れようとしている、と言われています。SpaceXのロケット製造において、日本製センサーの高い信頼性が活かされている、といった例もあります。
  • マスク的洞察: 日本人は自国の「ものづくり」を時に過小評価しがちですが、マスクは「日本の技術は、多くを語らずとも結果で示す」「宣伝は下手かもしれないが、気づけば世界を席巻している」と分析しています。彼の視点では、日本の少し控えめな職人文化こそが、実はグローバルな競争力の源泉となっているのです。

精神性:仏教、そして真言密教への深い関心

  • 仏教、特に真言密教へ:
    • 驚くことに、マスクは日本の仏教、中でも真言密教(空海が日本に広めた密教の一派)に深い知識と関心を持っている、と言われています。彼のデスクには、密教で使われる仏具である「五鈷杵(ごこしょ)」が置かれている、という目撃情報も。Xユーザーの間では、「マスクは密教の精神世界に惹かれていて、わびさびや他者への思いやりといった価値観を重視しているのでは?」といった投稿が見られます。
    • 高野山(和歌山県にある真言宗の総本山)にも強い関心を寄せているようです。空海の教えや瞑想といったものが、マスクの壮大なビジョン(例えば、xAIのミッションである「宇宙の真理の理解」など)に、何らかの影響を与えている可能性も指摘されています。
  • 日本人の持つ精神性:
    • マスクは、日本社会に見られる「静けさ」「他者への配慮」「感謝の心」といったものを称賛しています。「日本人の美意識は、次の時代の人類が目指すべき指標になるかもしれない」とXで発言したことも。
    • 彼は、日本の集団主義的な側面や礼儀正しさを「社会全体の調和を保つ力」として肯定的に捉え、自身が進めるDOGEでの効率化(無駄の排除)の哲学とも、どこか通じるものがあると感じているのかもしれません。
  • マスク的洞察: 私たち日本人にとって仏教の教えや礼儀作法は、日常生活や文化に溶け込んでいますが、マスクはそれらを「物質的な豊かさを超えた精神性」「宇宙的な視点」として、非常に高く評価しているようです。特に真言密教が説く「悟り」や「宇宙との一体感」といった概念は、AIや宇宙開発といった彼の事業が目指す究極的な目標と、深く響き合っているのかもしれません。

社会:日本の課題と未来への期待

  • 少子化への危機感:
    • マスクは日本の深刻な出生率低下を「文明の危機」と捉え、2022年から2024年にかけて「このままでは日本はいずれ存在しなくなる」「消滅するかもしれない」といった強い警告を発してきました。東京都の婚活アプリ開発を支持したのも、日本の少子化対策に期待を寄せている表れでしょう。
    • 彼がこれほどまでに日本の人口問題を心配するのは、彼が愛する日本の優れた技術や文化が、人口減少によって失われてしまうことを、本気で危惧しているからなのかもしれません。
  • 日本のポテンシャルへの期待:
    • 一部のXユーザーの間では、マスクが過去に「日本は必ず復活する」「これからは日本の時代が来る」といった趣旨の発言をした、という情報も流れています(ただし、これは未確認情報です)。彼は、日本の持つ技術力と精神性が、再び世界をリードする可能性を信じているようです。
    • 「日本の部品やアニメは、気づけば世界標準になっている」という彼の洞察は、日本の持つ底力を高く評価している証拠と言えるでしょう。
  • マスク的洞察: 日本人は少子化問題を主に「国内の課題」として捉えがちですが、マスクはこれを「人類全体の文化的な損失」という、よりグローバルな視点で見ています。彼の目には、日本のユニークな文化や卓越した技術は「世界にとっての貴重な資産」であり、その存続は世界全体の課題でもある、と映っているのです。

なぜこれほど日本が好きになったのか?マスクを惹きつける理由

マスクが日本にこれほどまでに魅力を感じる理由は、彼自身の価値観や興味と、日本の持つ特性が見事に響き合っている点にあるようです。

  • 技術と革新への共鳴: 「人類の進歩」を自らの使命とし、テスラやSpaceXで常に技術革新を追い求めるマスクにとって、日本の精密な「ものづくり」や「カイゼン」の精神は、彼の「無駄をなくし、最高品質を目指す」という哲学とぴったり合致するのでしょう。日本のプレイステーションやアニメに見られるような、技術と創造性の高度な融合も、彼がNeuralinkやxAIで目指す世界と通じるところがありますね。
  • 精神世界・哲学への共感: 火星移住やAIとの融合といった彼の壮大なビジョンは、単なる技術開発を超えた、ある種の「宇宙的な視点」や哲学を必要とします。日本の「わびさび」が持つ不完全さの美学や、真言密教が説く「宇宙との調和」といった精神性は、彼の深い部分に響き、影響を与えているのかもしれません。デスクに五鈷杵を置いているのは、密教の教え(悟りや精神集中など)を、自身の仕事や生き方に取り入れようとしている象徴的な行動と言えそうです。
  • ポップカルチャーからの影響: 若い頃に触れた日本のアニメやゲームが、彼の豊かな想像力の源泉の一つとなった可能性は高いでしょう。日本の「おたく文化」に見られるような、特定の分野への深い知識と情熱は、彼自身の「熱狂的な創造者」としてのアイデンティティと強く共鳴しているのかもしれません。ガンダム初音ミクといった存在は、技術と物語が見事に融合した未来的な創造物として、彼の心を捉えて離さないのでしょう。
  • 社会への憧れと、同時に抱く危機感: マスクは、日本の社会に見られる礼儀正しさや他者への配慮を、ある種の「理想的な社会の姿」として見ているフシがあります。それは、個人主義が強いアメリカ社会との対比の中で、より際立って見えるのかもしれません。しかし同時に、その社会が少子化によって衰退していくことを誰よりも危惧し、警鐘を鳴らし続けているのです。東京都の婚活アプリを支持する発言などは、彼自身のプロナタリズム(出生率向上を重視する考え)と、日本社会の存続への強い願いが結びついていることの表れでしょう。

日本人には見えにくい?マスクならではの日本洞察

イーロン・マスクの日本に対する視点は、私たち日本人が「当たり前」すぎて見過ごしてしまいがちな日本の価値を、グローバルで、時には哲学的な文脈で捉え直している点が非常にユニークです。

  • ポップカルチャーの世界的な力: 日本人が「単なる娯楽」と見がちなアニメやゲームを、マスクは「人類の創造性の最先端」「世界を変える文化輸出」と高く評価しています。彼にとってガンダムは、宇宙開発へのインスピレーションの源泉にすらなっているのかもしれません。
  • 「地味だけど最強」な日本の技術: 日本の部品や製品を「なんだか地味だよね」と感じることがあるかもしれませんが、マスクは「派手な宣伝はしないけれど、結果(品質)で世界を支配している」と、その本質的な強さを見抜いています。テスラの高性能バッテリーに、日本製の部品が欠かせない存在であることなどが、その証拠です。
  • 未来に必要な日本の精神性: 「わびさび」や仏教の考え方を「古臭いもの」と感じる人もいるかもしれませんが、マスクはこれらを「物質文明が行き着いた先にある、次の時代の指標」「AIが進化する未来にこそ必要な、調和の精神」として捉えているようです。彼が関心を持つ真言密教の教えは、彼がxAIで追求する「宇宙の真理」の探求にも影響を与えているのかもしれません。
  • 少子化は「日本だけの問題じゃない」: 日本国内の大きな課題である少子化問題を、マスクは「日本のユニークな文化や技術という、人類共通の資産が失われる危機」として、世界的な視点から警鐘を鳴らしています。日本の存続は、彼にとって世界全体の未来に関わる問題なのです。

投資先としての日本はどう?

これほど日本に愛着を見せるマスクですが、彼の会社(テスラ、SpaceX、xAIなど)が日本に大規模な投資拠点(工場や研究開発センターなど)を持っているかというと、現状ではそうではありません。

テスラは日本で販売・サービス拠点を展開し、SpaceXも衛星インターネット「Starlink」のサービスを提供していますが、製造や研究開発の主力拠点は日本には置いていません。

ただ、マスクは日本の高い技術力(特にバッテリーやセンサーなど)に大きく依存しており、将来的に日本への投資を拡大する可能性はゼロではないでしょう。

楽天グループの三木谷浩史氏が2023年に「(以前は)マスクは日本市場にあまり興味を持っていなかった」と語ったこともありますが、技術面での協力関係は続いています。

マスクの日本愛は、直接的なビジネス投資というよりも、「文化や技術に対する深いリスペクト」に重きが置かれているようです。

彼にとって日本は、投資対象というより、未来を共に創るための重要な「パートナー」であり、技術や文化、精神性といった「ソフトパワー」を取り込むことを優先しているのかもしれませんね。

まとめ:なぜイーロン・マスクは日本を愛するのか

イーロン・マスクがこれほどまでに日本に惹かれる理由は、彼自身の持つ価値観(技術革新への情熱、宇宙的スケールの思考、創造性への探求)と、日本の持つユニークな文化、卓越した技術、そして奥深い精神性が見事に響き合っているから、と言えそうです。

彼が魅力を感じているのは、

  • アニメやゲームといったポップカルチャーが持つ世界的な影響力、
  • 「ものづくり」に見られる品質へのこだわりと改善精神
  • 仏教や「わびさび」に代表される精神的な深み
  • そして社会全体の調和や礼儀正しさ

私たち日本人が当たり前と思ってしまいがちなこれらの要素を、マスクは「人類の想像力の頂点」「静かなる世界の支配者」「AI時代の羅針盤」「守るべき世界の資産」といった、非常に高く、そしてユニークな視点から評価しています。

彼の日本愛のルーツは、子供時代のアニメ体験、実際に訪日した際の文化体験(チームラボや桜など)、製品開発を通じて実感した日本の技術力への信頼、そして真言密教やわびさびといった精神世界との出会いにあるのでしょう。

Xでの「わびさび」発言や、デスクに五鈷杵を置いているという話は、彼の日本への深い敬意を象徴しています。

投資先としての関わりは今のところ限定的ですが、技術的なパートナーシップや文化的な交流を通じて、マスクは日本を「人類の未来にとって重要な資産」と位置づけているようです。

イーロン・マスクというフィルターを通して日本を見ることで、私たち自身も、自国の文化や技術が持つ普遍的な価値に改めて気づかされるかもしれません。

そして彼の日本への愛は、日本の魅力を世界にさらに広めていく、一つのきっかけとなるのではないでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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