ハンバート ハンバートとは?名前の意味が意外すぎた…紅白出場の夫婦デュオ

2025年の第76回NHK紅白歌合戦への初出場が決まり、今、熱い視線が注がれている「ハンバート ハンバート」。

テレビから流れてくる素朴で温かい歌声に、「この2人は一体誰?」「ハンバート ハンバートってどういう意味?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

実は彼ら、結成から25年以上、自分たちのペースで音楽を紡ぎ続けてきたベテランの夫婦デュオなんです。今回は、そんな彼らの意外な名前の由来から、心に染みる代表曲、そしてNHKドラマとの深い関わりまで、その魅力を余すところなくご紹介します。

目次

ハンバート ハンバートとは?飾らない夫婦デュオの横顔

ハンバート ハンバート(HUMBERT HUMBERT)は、1998年に結成された男女デュオです。メンバーは以下の2人。

  • 佐藤良成(さとう・りょうせい):ボーカル、ギター、フィドルほか(1978年生まれ・神奈川県出身)
  • 佐野遊穂(さの・ゆうほ):ボーカル、ハーモニカほか

もともとはバンド形式でスタートしましたが、現在は夫婦2人での活動がメイン。3人のお子さんを育てながら音楽活動を続けるスタイルは、多くのファンにとって「理想の暮らし」の一つの形として親しまれています。

暮らしと地続きにある音楽

彼らの音楽は、ポップス、ロック、フォークソングをベースに、ギターやバイオリン、マンドリンといったアコースティック楽器の音色が特徴です。

何より魅力的なのは、2人がメインボーカルをとるハーモニー。夫婦ならではの息の合った掛け合いは、聴く人の心をふっと軽くしてくれます。

基本的には夫の佐藤さんが曲を作り、妻の佐野さんが詞を付けるスタイルが多いですが、お互いの役割はとても柔軟。SNSではスタッフさんが発信する情報を通じて、彼らの飾らない日常を垣間見ることができます。

名前は『ロリータ』から?意外すぎる「ハンバート ハンバート」の意味

「ハンバート ハンバート」という不思議な響きのグループ名。一度聞いたら忘れられないインパクトがありますよね。

実はこの名前、ロシア出身の作家ウラジーミル・ナボコフの有名な小説『ロリータ』(1955年)の主人公、「ハンバート・ハンバート」に由来しています。

なぜその名前を選んだのか

佐藤良成さんがフレンチ・ポップ風のバンド名を考えていた際、この主人公の名前を採用したそうです。小説を知る人からすれば、「なぜあえてその名前を?」と驚かれることも少なくありません。物語の主人公はかなり複雑な心理を持った人物だからです。

しかし、この一見ミスマッチにも思える名前選びこそが、彼らの音楽性を象徴しているとも言えます。日常の何気ない風景を描きながら、その裏にある人間の業や感情の機微を文学的に表現する。そんな彼らのスタイルに、この名前は不思議とハマっているのです。

心に刺さる「代表曲・ヒット曲」と「吃音」というテーマ

ハンバート ハンバートの楽曲は、単に「癒やし」だけでは語れません。生活の中にある小さな喜びはもちろん、痛みや苦しみも丁寧にすくい上げています。

特に佐藤良成さん自身が「吃音(きつおん)」の経験を持っており、それが創作の源泉になっていることも大きな特徴です。言葉がつっかえてしまうもどかしさや苦しみをテーマにした楽曲は、同じ悩みを持つ人だけでなく、多くの人の孤独に寄り添ってきました。

ここでは、彼らを知る上で外せない代表曲をいくつかご紹介します。

  • 「おなじ話」(2005年)
    各地のFM局でパワープレイされ、全国的な知名度を得るきっかけとなった名曲。繰り返される日常の愛おしさと切なさを描いたこの曲は、YouTubeなどでも長く愛され続けています。
  • 「笑ったり転んだり」(2025年)
    2025年のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』の主題歌。人生の浮き沈みを肯定するポジティブなメッセージが込められており、今回の紅白出場の決め手とも言える楽曲です。
  • 「虎」
    力強いメッセージ性が支持されている、ライブでも人気の定番曲です。
  • 「ぼくのお日さま」
    同名の映画『ぼくのお日さま』の主題歌。吃音を持つ少年が主人公の物語に、佐藤さんが音楽を担当し書き下ろしました。自身の経験と重なるテーマだからこそ、そのメロディは優しく、深く響きます。

これらの楽曲は、2025年11月にリリースされたベストアルバム『ハンバート入門』でまとめて楽しむことができます。

NHKドラマ・主題歌との深い縁

今回、念願の紅白初出場を果たした背景には、長年にわたるNHKとの深い関わりがあります。

記憶に新しいのは、やはり2025年の朝ドラ『ばけばけ』での主題歌起用でしょう。お茶の間に彼らの声が毎日流れることで、その人気は不動のものとなりました。

それ以前にも、2021年の黒木華さん主演ドラマ『僕の姉ちゃん』(テレビ東京系ですが、配信や再放送で広く話題に)での主題歌「恋の顛末」など、ドラマ作品の世界観を彩る楽曲を数多く生み出しています。

映像作品に寄り添いながらも、決してBGMでは終わらない存在感を放つ。それがハンバート ハンバートの音楽の底力なのです。

まとめ:紅白で見つける、新しい音楽の扉

文学的な名前の由来を持ち、夫婦で奏でるフォークサウンドが魅力のハンバート ハンバート。

日常の温かさだけでなく、吃音という個人的な体験や、心の奥底にある痛みさえも「やさしい音楽」へと昇華させる彼らの姿勢は、唯一無二のものです。

紅白歌合戦でのパフォーマンスは、きっと多くの人にとって「こんな音楽が聴きたかった」という出会いになるはず。ベストアルバム『ハンバート入門』を入り口に、ぜひ彼らの奥深い音楽の世界に浸ってみてください。日常の景色が、少しだけ優しく見えるようになるかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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