サカナクションの中心人物、山口一郎さん。
エレクトロニカとロックを融合させた革新的なサウンドはもちろん、その知的で文学的な歌詞の世界観に惹かれるファンは多いですよね。
そんな彼の音楽制作の裏側を覗いてみると、ある意外なアイテムが深く関わっていることがわかります。
それは「タバコ」です。
「喉を大切にするボーカリストなのに?」と驚く方もいるかもしれませんが、彼にとって喫煙は単なる息抜き以上の意味を持っているようです。
今回は、山口一郎さんの喫煙スタイルや、話題となった「電子タバコ」への移行、そしてタバコがどのように名曲たちと関わっているのか、最新のエピソードを交えて深掘りします。
音楽創作の「相棒」としてのタバコ

山口さんは成人してから長年にわたりタバコを愛用している、公言された喫煙者です。
彼にとってタバコは、単なる嗜好品ではありません。インタビューなどでの発言を紐解くと、それは「自分と向き合う時間」を作り出し、物事を「客観視するためのツール」として機能していることがわかります。
特に興味深いのが、歌詞を書くときや曲作りの最中のエピソードです。
タバコを吸ってあえて頭を「ぼんやり」させることで、ふっとインスピレーションが降りてくる状態を作っているのだとか。
実は過去に一度、禁煙に挑戦した時期があったそうです。
しかし、いざタバコを断ってみると、歌詞がまったく書けなくなってしまったといいます。そこで再び喫煙を解禁したところ、なんとあの代表曲「新宝島」がわずか3日で完成したという逸話があります。
タバコが創作の詰まりを解消する、重要なスイッチになっていたんですね。

かつての昭和の文豪たちが紫煙をくゆらせて筆を走らせたように、山口さんもまた、喫煙を音楽的な「訓練」や「儀式」の一部として捉えているのかもしれません。
歌詞の中に漂う「煙」の気配

山口さんのタバコ愛は、サカナクションの楽曲の中にも色濃く反映されています。
ファンの方なら、歌詞の中に「タバコ」や「煙」といった言葉が登場することに気づいているかもしれません。
例えば、『GO TO THE FUTURE』という曲では、「タバコの煙のせいだった 霧のような未来への動き」という表現が出てきます。
また、『Ame(A)』では「ぼんやりしたくて 火をつけた煙草が 目にしみたのは」と歌われており、煙を通して内省的な感情を描写しています。
日常の曖昧さや、言葉にしにくい感情の揺らぎ。
そういったものを表現する際、彼にとってタバコというフィルターを通すことが、独自の感性を言葉にする手助けになっているのでしょう。
SNS上のファンコミュニティでも「サカナクションの曲とタバコは合う」といった声が見られ、彼の音楽体験の延長線上に、この「煙の文化」が共有されているようです。
紙巻きからアイコス、そして「Ploom X」へ

長年タバコを愛用してきた山口さんですが、近年のスタイルは「紙巻きタバコ」から「電子タバコ(加熱式タバコ)」へと大きくシフトしています。
以前はフィリップ・モリスの「IQOS(アイコス)」を使っていた時期もありました。2017年には自身のInstagramで新型IQOSについて触れており、禁煙期間からの復帰ツールとしても活躍していたようです。
しかし、2022年頃からはJTの「Ploom X」に切り替え、現在も愛用されています。
この移行の背景には、味や香りの洗練さだけでなく、製品に関わる人々の熱意に共感したという理由があるそうです。特に、うつ病からの回復期に生活を立て直していく中で、このデバイスを一つの「ガジェット」として再評価し、日常に取り入れていったといいます。
「すべては音楽」タバコもアートの一部に

電子タバコへの移行は、単なる健康への配慮だけではありません。山口さんらしい「デザインへのこだわり」も強く表れています。
彼はPloom Xの「個性を尊重する」という理念に共鳴し、2023年にはオリジナルアクセサリーのデザイン監修も行いました。
「BEKKO(べっこう)」と「KATSURA(かつら)」と名付けられたそのデザインは、日本の伝統的な美意識を取り入れたもの。特に「べっこう」柄は、かつての喫煙具である「キセル(煙管)」を連想させる仕上がりになっています。
「つまりは全部、音楽」
そう語る山口さんの哲学通り、タバコというアイテムさえも、単なる道具からライフスタイルを彩るアート、ひいては音楽活動の延長として昇華させているのが印象的です。
また、お父様と親子で「電子タバコ二刀流」を楽しんでいるエピソードも明かされており、そこには家族との温かい繋がりも垣間見えます。
まとめ:煙の向こうに見える創作の源泉
山口一郎さんとタバコの関係を掘り下げてみると、それが単なる「癖」ではなく、創作活動になくてはならないピースであることが見えてきました。
- 創作のスイッチ: 「新宝島」誕生の裏には、禁煙からの復帰があった。
- 歌詞への影響: 煙やタバコは、内省的な世界観を描く重要なモチーフ。
- スタイルの変化: 紙巻きからアイコス、現在はPloom Xへ移行し、デザインもプロデュース。
「音楽の創作にタバコは欠かせないのか?」という問いに対し、彼は自身の経験から「必要だったんだな」と肯定しています。
もちろん健康面への配慮は必要ですが、電子タバコという新しい形を取り入れながら、彼は今日も煙の向こう側で新しい音楽を紡いでいるのでしょう。
こうしたバックストーリーを知った上で改めてサカナクションの曲を聴くと、その歌詞やメロディが、より深く、立体的に感じられるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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