霜降り明星のツッコミ担当として知られる粗品さん。
鋭いワードセンスと独特の間で観客を魅了し、芸人としての地位を確立されています。
M-1グランプリ2018の最年少王者としての実績を持つ一方で、ミュージシャン、司会者、YouTuberとしても活躍する多才な人物でもあります。
その個性と発信力で、幅広いジャンルで存在感を放ち続けています。
そんな粗品さんが、2024年元日に発生した能登半島地震に対し、競馬で得た賞金2412万3700円を被災地である石川県に全額寄付し、大きな称賛を集めました。
しかし、その裏で寄付金の一部をギャンブルで失い、不足分を補うために新たに借金をしたという複雑な状況が明らかになると、驚きと困惑の声も上がりました。
「なぜ借金してまで?」と疑問に思う方も多いでしょう。 この記事では、粗品さんの善意の寄付とその後の驚くべき経緯を整理し、彼の行動の背景にあるものを探っていきましょう。
善意の始まり:能登半島地震への2400万円寄付

2024年1月1日、能登半島を襲った大地震は甚大な被害をもたらし、多くの人々が支援を必要としていました。
この状況を受け、粗品さんは迅速に行動を起こしました。
1月6日、中山競馬場で行われた4レースで、単勝11番人気の馬が絡む3連単(配当241万2370円の超高額配当)を1000円分的中させ、払戻金2412万3700円を獲得しました。

そして1月8日、自身のYouTubeチャンネル「粗品のロケ」の動画「ついに粗品が競馬で24,123,700円当てた【正月競馬#1】」の中で、この払戻金の全額を石川県の災害義援金口座に寄付すると宣言しました。
動画では、「借金が1億弱ある」と自虐ネタを交えつつも、「俺が持っててもしゃあない。どうせキモい使い方してゼロになるなら寄付した方がええわ」と語り、実際にスマートフォンで振込手続きを行う様子を披露しました。
ただし、1日あたりの振込限度額が1000万円だったため、6日、7日、8日の3日間に分けて送金。 その送金明細をX(旧Twitter)で公開しました。
この行動に対し、SNSでは「漢気ありすぎ」「税金(のことまで考えて)も払うなんて神」「豪快すぎる」といった称賛の声が殺到し、彼の行動力と決断、そしてその善意が大きな話題となりました。
衝撃の告白:寄付金不足と新規借金「お金貸して」?

しかし、この感動的なストーリーには、多くの人が予想しなかったであろう展開が待ち受けていました。
1月12日、粗品さんはYouTube動画「粗品2400万円寄付事件を徹底解説【正月競馬#3】」を公開し、驚くべき事実を明かしたのです。
なんと、1月6日に2412万3700円を的中させた後、翌7日(自身の誕生日)に、その払戻金の一部(247万6000円)を別の競馬レースに投じ、すべて失ってしまったというのです。
その結果、寄付に必要な寄付金が不足する事態となり、口座残高は281万7700円になってしまいました。
さらに、払戻金には当然ながら税金(一時所得として約700万円)がかかることを考慮に入れていなかったことも判明し、収支は大幅に悪化しました。
この絶体絶命の状況で、粗品さんは一瞬ためらったものの、「(寄付を)やめようかなと思った。でも全額寄付すると言った筋を通したい」と決意。
不足分の250万円を、なんと新たに借金(知人に「お金貸して」と頼んだのでしょうか)して補填したのです。 そして1月8日、予定通り残りの金額を振り込み、宣言通り2400万円全額を石川県へ寄付しました。

しかし話はここで終わりません。8日にも競馬で負け、最終的に彼の貯金残高はわずか2000円になったといいます。
元々抱えていた1億円弱の借金に加え、今回の寄付のために新たにこしらえた借金250万円と、後日支払うことになる税金約700万円弱を抱える結果となり、Xで「実は払戻金に手を付けて翌日競馬をしてしまったせいで、新規で借金をしていました」と告白するに至りました。
経緯の詳細:寄付を巡る激動の3日間

粗品さんの行動を時系列で整理すると、以下のようになります。
- 1月6日(的中当日): 中山競馬場第4レースで2412万3700円を的中。「全額寄付」を宣言し、その日のうちに1000万円を石川県へ振込。
- 1月7日(誕生日&損失): 払戻金の一部247万6000円を別の競馬レースに使い、全敗(ギャンブル負け額発生)。残高281万7700円で、2回目の1000万円を振込。
- 1月8日(寄付完遂&借金): 残り512万3700円を寄付する必要がありましたが、手持ち資金が不足。新規で借金250万円を調達。その資金も合わせて残り412万3700円を振り込み、宣言通り2400万円の能登半島地震への寄付を達成。しかし、自身の貯金はわずか2000円に。
このわずか3日間で、約2400万円の大勝利から、マイナス約1000万円(新規借金+税金分)の負債を抱える状況に転落するという、まさにジェットコースターのような展開でした。
寄付という善意の行動を完遂したものの、その原資の一部が自己資金ではなく借金で賄われたという事実は、多くのファンに複雑な感情を抱かせたようです。
背景分析:なぜ借金してまで寄付したのか?

粗品さんのこの一連の行動は、一見すると理解に苦しむ行動かもしれませんが、彼の性格やこれまでの言動、そして置かれた状況から背景を分析すると、いくつかの要因が見えてきます。
- 根深いギャンブル依存と衝動性:
- 粗品さんは自他ともに認めるギャンブル好きで知られ、年間ギャンブル負け額が1億円を超えることもあると公言しています。2020年には3日間で700万円負けた直後に、別の賞金から249万円を日本財団に寄付するなど、大勝ちや大負けといった出来事をエンターテインメントに変えるスタイルは、彼の特徴と言えるでしょう。
今回、1月7日に寄付金に手をつけてしまったのも、「誕生日だから」という理由で衝動的に賭けてしまった結果であり、彼の根深いギャンブル体質が、寄付金を減らしてしまう直接的な原因となりました。
- 粗品さんは自他ともに認めるギャンブル好きで知られ、年間ギャンブル負け額が1億円を超えることもあると公言しています。2020年には3日間で700万円負けた直後に、別の賞金から249万円を日本財団に寄付するなど、大勝ちや大負けといった出来事をエンターテインメントに変えるスタイルは、彼の特徴と言えるでしょう。
- 「筋を通す」という強い信念:
- 一度「全額寄付する」と公に宣言した手前、途中で撤回したり、金額を減らしたりすることは、彼のプライドが許さなかった様子がうかがえます。
「どうせ(自分が持っていても)0になるなら」と自虐しつつも、一度口にした宣言を守り通すために、最終的に借金という手段を選びました。これは、彼の芸人としての意地や、ファンに対するある種の約束を重んじる姿勢の表れと言えるでしょう。
- 一度「全額寄付する」と公に宣言した手前、途中で撤回したり、金額を減らしたりすることは、彼のプライドが許さなかった様子がうかがえます。
- エンターテインメントへの転換:
- 寄付金が足りなくなり借金したという一連の顛末を、単なる失敗談として終わらせず、自身のYouTubeチャンネルで「競馬警察」というキャラクターを演じながら面白おかしく動画化した点。
そして「上がった好感度を自ら下げにいく」とXで自らネタにした点は、いかにも粗品さんらしい芸人魂の現れと言えます。彼の行動には、純粋な善意だけでなく、常に視聴者を楽しませようとする計算やサービス精神が働いていた可能性も否定できません。
- 寄付金が足りなくなり借金したという一連の顛末を、単なる失敗談として終わらせず、自身のYouTubeチャンネルで「競馬警察」というキャラクターを演じながら面白おかしく動画化した点。
- 複雑な経済状況と価値観:
- 1億円弱とも言われる借金を抱えながらも、YouTubeやテレビ番組などで高収入を得ているとされる粗品さん。彼にとって、今回の250万円の新規借金は、一般人の感覚とは異なり、それほど大きな負担ではないのかもしれません。
また、寄付による税金の控除(所得控除。ただし上限あり)なども、ある程度は視野に入れていた可能性も考えられ、彼の行動には計画性のなさと大胆さが常に混在しているようです。
- 1億円弱とも言われる借金を抱えながらも、YouTubeやテレビ番組などで高収入を得ているとされる粗品さん。彼にとって、今回の250万円の新規借金は、一般人の感覚とは異なり、それほど大きな負担ではないのかもしれません。
世間の反応と影響

能登への寄付を発表した当初は「最高の漢」「男前すぎる」などと絶賛された粗品さんですが、借金をして寄付を補填したという告白後は、世間の反応もやや分かれました。
Xでは「生き様が芸人すぎ」「何してんねんw」といった驚きや呆れの声と共に、「それでも寄付した事実は変わらない」「結果的に全額届いたなら良い」と擁護する声も多く見られました。
一方で、元JRA騎手の藤田伸二氏が「(寄付の)金額を公表するのは自慢にしか聞こえない」と批判し、その後、藤田氏自身が別の騒動で逮捕されるという出来事もあり(粗品さんはこれを『呪い』とネタにしています)、話題はさらに拡散しました。
テレビなどの主要メディアでは大きく取り上げられなかったものの、ネット上では「粗品さんらしい破天荒なエピソード」として、ある意味語り継がれています。
まとめ:善意と破天荒さの交錯 – 粗品らしい寄付の形
粗品さんの能登半島地震への2400万円寄付は、2024年元日の被災地支援という純粋な善意から始まったものでした。
しかし、その過程でギャンブルで寄付金の一部を失い、なぜ借金をしてまで補填したのか、という予想外の展開は、彼の持つ衝動性と、芸人らしいとも言える予測不能な行動様式を象徴しているようです。
その背景には、一度決めたことは貫き通すという信念と、どんな状況もエンターテインメントに変えてしまう精神が混在し、常人には理解しがたい行動原理が働いていたのでしょう。
結果として、石川県に全額届けられた寄付金は、能登の被災地支援に貢献したことに間違いなく、彼の行動の根底にあった「漢気」は揺るがないでしょう。
一方で、「なぜ借金をしてまで」という疑問は残るものの、その結末は粗品さんの破天荒な人生そのものを映し出すドラマのようでもあります。
2025年4月現在、彼はギャンブルとエンタメを織り交ぜた活動を変わらず続けており、この能登寄付と借金の一件は、「粗品伝説」の新たな一ページとして、多くのファンの記憶に強く残ることでしょう。
善意と破天荒さの両面を持つ彼の行動は、今後も多くの注目を集め続けるに違いありません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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