藤井風はなぜ英語話せる?留学経験なし・父との独学で驚異の語学力を手に入れた理由

はじめに ―― 彗星のように現れた世界的アーティスト

岡山県にある人口約1万1,000人の小さな町、里庄町。田んぼと海に囲まれたこののどかな環境から、いつの間にか世界の音楽シーンを席巻するアーティストが誕生していました。

その名は、藤井風(ふじい かぜ)さん。1997年6月14日生まれのシンガーソングライターであり、卓越した才能を持つピアニストです。岡山弁を交えた独特の歌詞と、R&Bやソウル、ジャズをベースにした洗練されたサウンドで、デビュー直後から国内外のリスナーを虜にしました。

しかし、彼の発信するコンテンツに触れた多くの人が、最初にこんな疑問を抱くのではないでしょうか。

「なんでこんなに英語が上手いの?」

YouTubeの動画を見ると、ご自身の楽曲解説を流暢な英語でこなし、さらに岡山弁の字幕を自分でつけるという独自スタイルで世界へ発信しています。洋楽カバーの発音はまるでネイティブのよう。海外ファンに向けたスピーチも、気負うことなくごく自然に英語が飛び出します。

「帰国子女なの?」「ハーフ?」「海外の大学に留学していたのでは?」とさまざまな噂が飛び交いましたが、答えはすべてNO。藤井風さんは純日本人であり、海外への留学経験もなく、英語を専門の学校で学んだわけでもありません。

それにもかかわらず、なぜ彼はあれほど自在に英語を操り、ついには2025年に「全曲英語詞」の3rdアルバム『Prema』をアメリカの名門レーベルからリリースするまでに至ったのでしょうか。この記事では、その驚きの理由を徹底的にひも解いていきます。

目次

なぜ英語話せる?留学経験なしの語学力の原点は「父」

藤井風さんの圧倒的な英語力のルーツは、幼少期にさかのぼります。

地元で「ミッチャム」という喫茶店を営んでいたお父様は、たいへんな音楽好きでした。若いころはミュージシャンを志し、フルートやトランペットなどを演奏していたそうです。ピアノの専門家ではありませんでしたが、「音楽と子どもが好き」という熱い思いから、わが子に音楽の楽しさを教えました。

風少年は2歳でお父様の膝の上でピアノに触れ、3歳から本格的にピアノを習い始めます。ここまでは才能あるミュージシャンの生い立ちとしてよくあるお話かもしれません。

しかし、お父様のすごいところは、音楽と並行して「英語教育」も同時にスタートさせた点にあります。しかも驚くべきことに、お父様ご自身も英語を話せるわけではありませんでした。

それでも、3歳の息子と一緒にお父様は英語の勉強を始めます。互いに刺激し合いながら、まるで遊ぶように英語に触れていったのです。

3歳といえば、日本語での会話もまだまだこれからの時期。その段階でピアノと英語の音に同時に触れる環境があったことが、のちの藤井風さんの言語感覚に計り知れない影響を与えました。

お父様が英語の発音を教える際のお手本にしたのは、当時よく聴いていたグループサウンズの楽曲だと言われています。文法や英会話のスキルがなくても、「音としての英語の響きや発音感覚」だけは、しっかりと息子に手渡すことができたのです。

独学の極意!「耳コピ」と洋楽カバーが育てた英語のリズム

お父様から与えられた英語との出会いを土台に、藤井風さんが独自に磨き上げたのが「耳コピ」という学習スタイルです。

ピアノを弾く際も、彼は楽譜を読むより、耳で聴いた曲をそのまま指で再現する「耳コピ」を得意としていました。これは彼の持つ絶対音感と深く結びついており、音を正確にキャッチして再現する能力がずば抜けて高いことを意味しています。

この才能が、そのまま英語の独学にも活かされました。

英語を学ぶ際、多くの日本人が「音」の壁にぶつかります。LとRの違いや、単語同士がつながるリンキング、特有のリズムなど、「頭で理解すること」と「口で再現できること」の間には大きなギャップがあるものです。しかし、藤井風さんにとって英語のフレーズは「ピアノのメロディ」と同じでした。聴いて、真似をして、体全体に染み込ませる。彼にはそれだけで十分だったのです。

ご本人は、英語を身につけるコツについてこのような言葉を残しています。

「英語はもう耳コピ。発音を真似して恥を捨てること。子供扱いされてもええから、恥とプライドを捨てて。ワシ日本語も下手じゃけん、失うものがないんです」

この飾らない一言に、彼の強さが凝縮されています。「間違えたら恥ずかしい」という心理的なブレーキを外し、「完璧じゃなくても伝わればいい」という自由なマインドを持てたことが、語学力を飛躍させる大きな鍵になりました。

さらに、12歳ごろからYouTubeへ投稿し始めた洋楽のピアノ弾き語り動画も、語学力を飛躍させました。歌を通して言葉の強弱や息継ぎのニュアンスを学ぶことで、ネイティブさながらの自然な発音と感情表現を同時にマスターしていったのです。

岡山城東高校での学びと「世界」を見据えたブレない意志

家庭での独学と洋楽の耳コピによって培われた英語力を、さらに大きく伸ばす環境が高校時代に待っていました。

彼が進学した岡山県立岡山城東高等学校は、国から「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定されており、英語教育や国際感覚を養うプログラムに非常に力を入れている学校でした。

彼はこの高校の「音楽コース」に在籍し、音楽の専門技術を磨きながら、同時に質の高い英語教育を受けることになります。幼少期から耳で「インプット」してきた英語を、学校という実践の場でしっかりと「アウトプット」できたことが、さらなる成長に繋がりました。

そして何より重要なのは、彼が「子どもの頃から世界を強く意識していた」という事実です。

「日本だけに限定しない届け方をできるだけやっておこう、というのが最初からあった」

この言葉の通り、デビュー前のYouTube動画で自ら英語の字幕をつけたり、Instagramで英語の発信を続けたりと、常に国内外を同時に見据えて行動していました。2019年の上京前にはニューヨークへ単身で渡り、飛び込みで弾き語りライブを行うなど、自らを厳しい環境に置いて実践的な英語力を鍛え上げています。

「いつか世界へ届ける」という明確な目的があったからこそ、彼の英語は単なる勉強で終わらず、生きたコミュニケーションツールへと進化したのです。

夢の全曲英語詞へ!世界規模のヒットとアルバム『Prema』

藤井風さんの磨き抜かれた英語力は、世界へ羽ばたくための最強の武器となりました。

2020年リリースの「死ぬのがいいわ」は、日本語の楽曲でありながらTikTokを起点に世界中でバイラルヒットを記録。2022年には邦楽アーティスト史上初となるSpotify月間リスナー数1,000万人を突破し、現在も世界トップクラスの日本人アーティストとして君臨しています。

そして、ユニバーサル ミュージック グループ傘下のアメリカ名門レーベル・リパブリック・レコードと契約を結び、2025年9月5日に3rdアルバム『Prema』をリリースしました。

このアルバムは、彼にとって長年の夢だった全曲英語詞で制作されています。

ご本人はアルバム制作について、このように振り返っています。

「日本語で表現したいことはやり尽くした。英語にすることで日本語よりもシンプルでダイレクトな表現になった」

幼い頃から音楽とともに英語を体に染み込ませてきた彼にとって、英語で曲を作ることは、もはや頭の中で翻訳する作業ではなく、ごく自然に湧き出る「もうひとつの母国語」で語りかける感覚に近いのでしょう。

まとめ ―― 藤井風の英語学習法から私たちが学べること

留学経験ゼロ、純日本人、特別な英語の早期教育もなし。

それでも藤井風さんは、国境や文化を越えて人々の心に響く英語の歌を歌い、世界最高峰のレーベルからアルバムをリリースする存在になりました。

彼の歩みを振り返ると、語学を学ぶ上で大切なヒントがたくさん隠されています。

  • 音楽と一緒に楽しんで学ぶこと
  • 音をよく聴き、そのまま真似をすること
  • 恥やプライドを捨てて口に出すこと
  • 「誰に、何を届けたいのか」という明確な目的を持つこと

「英語を話せるようになりたい」と願うすべての人にとって、藤井風さんの生い立ちと独学のエピソードは、勇気をくれる最高のロールモデルです。彼が岡山弁と英語をごく自然に行き来しながら軽やかに歌うとき、そこには言語の壁を越えた真っすぐな想いが溢れています。それこそが、彼が世界中から愛される最大の魅力なのです。

おくやま

どうも、管理人の「有為之おくやま」です。藤井風さんの英語上達法についてまとめましたが、正直な本音を言わせてください。「発音を真似して恥を捨てる」って言うのは簡単ですけど、日本人の大人にとってそれが一番難しくないですか!?いや、失うものがないって言い切れる風さんのマインドは最高にかっこいいんですが、いざ自分がやるとなるとプライドが邪魔しちゃって、凡人のおじさんにはなかなか真似できないなと痛感しましたよ(笑)。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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